四国67番 大興寺〈文政8年〉

文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国67番 小松尾山 不動光院 大興寺
讃岐国豊田郡辻村(香川県三豊市山元町辻)

四国67番大興寺の納経

四国28日目の4月7日、伊豫国最後の札所である65番三角寺を出発した太郎助は、阿波国にある66番雲辺寺を経て、再び讃岐国に入り、67番大興寺に参拝しました。

67番小松尾山大興寺は「小松尾寺」の名で親しまれ、御詠歌にも「植え置きし小松尾寺を眺むれば」と詠まれています。

寺伝によれば、天平14年(742)現在地の北西約1kmの地に東大寺の末寺として創建されました。延暦11年(792)弘法大師が巡錫、さらに弘仁13年(822)嵯峨天皇の勅願により大師を開山として再興されたと伝えられます。

現在は真言宗の寺院ですが、かつては真言・天台二宗兼学の寺院でした。その名残で、今も本堂をはさんで弘法大師と天台大師智顗(中国天台宗の第三祖で、天台教学の大成者)を祀る二つの大師堂が建っています。

最盛期には七堂伽藍を備え、真言24坊、天台12坊を誇ったといいますが、長曽我部の兵火に罹り、そのほとんどを焼失しました。慶長年間(1596~1615)に再建されますが、再び焼失。現在の本堂は寛保元年(1741)の再建ということなので、太郎助の参拝の80年余り前ということになります。

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大興寺の納経

四国67番大興寺の納経

順拝帳を見ると、右から順に

「奉納経」
「本尊薬師如来」
「讃州小松尾山」「大興寺」
「四月七日」

中央の朱印は火炎宝珠に薬師如来の種字「ベイ」。右上は「六十七番」、左下は判読できません。

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大興寺の概要

小松尾山 不動光院 大興寺(だいこうじ)
現名称:小松尾山 不動光院 大興寺
御本尊:薬師如来
創建年代:天平14年(742)
開基:弘法大師
所在地:讃岐国豊田郡辻村(香川県三豊市山元町辻)
宗派等:真言宗善通寺派(当時は大覚寺末地蔵院=萩原寺の末寺)

文政8年『神社仏閣順拝帳』
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