四国18番 恩山寺〈文政8年〉

文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国18番 母養山 宝樹院 恩山寺
阿波国勝浦郡田野村(徳島県小松島市田野町)

四国18番恩山寺の納経

母養山恩山寺は弘法大師が御母公・玉依御前に孝養を尽くしたということからその名がつけられたと伝えられています。

寺伝によれば聖武天皇の勅願により行基菩薩が開創したとされます。大日山福生院密厳寺と称し、本尊は行基菩薩が刻んだ薬師如来像で、女人禁制の道場でした。

延暦年間、弘法大師が当寺で修業していた時、御母公・玉依御前が讃岐善通寺より訪ねてきました。しかし寺は女人禁制であったため、大師は一七日(7日間)の修法を行い、禁制を解きました。そして御母公を迎え入れ、孝養を尽くしたといいます。御母公はここで剃髪し、その髪を納めました。「母養山恩山寺」の名はこれに因むとされます。また、弘仁5年には大師が自らの像を刻んで安置したと伝えられます。

天正年間(1973~92)兵火により焼失しましたが、阿波の領主となった蜂須賀家政により再建されました。現在の本堂・大師堂などは文化・文政の頃の建築ということなので、ちょうど太郎助の参拝の頃ということになります。

恩山寺の納経

四国18番恩山寺の納経

『順拝帳』を見ると、墨書部分は版木押しで、右から順に

「奉納大乗妙典」
「〈ベイ〉本尊薬師如来」
「弘法大師御母公頂髪所」
「阿州母養山」「恩山寺」
「酉三月十六日」「行者丈」

梵字「ベイ」は薬師如来の種字。「御母公頂髪所」の「頂髪」は「剃髪」の当て字だろうと思います。

中央の朱印は火炎宝珠に梵字の「ベイ」。右上の印は「四国第十八番」、左下は「恩山寺」。

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恩山寺の概要

母養山 宝樹院 恩山寺(おんざんじ)
現名称:母養山 宝樹院 恩山寺
御本尊:薬師如来
創建年代:天平年間(729~49)か
開山:行基菩薩
所在地:阿波国勝浦郡田野村(徳島県小松島市田野町)
宗派等:高野山真言宗

文政8年『神社仏閣順拝帳』
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