四国56番 泰山寺〈文政8年〉

文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国56番 金輪山 勅王院 泰山寺
伊豫国越智郡小泉村(愛媛県今治市小泉)

四国56番泰山寺の納経

56番泰山寺は今治の中心を流れる蒼社川の北岸、金輪山の麓にあり、弘法大師による蒼社川の治水伝説を伝えています。

かつて蒼社川は毎年のように氾濫を繰り返し、田畑や家屋を押し流し、亡くなる人も少なくありませんでした。

弘仁6年(815)当地を巡錫した弘法大師は、このことを聞いて里人の難儀を憐れみ、人々を集めて堤防を築きました。そして土砂加持の秘法を七座にわたって修したところ、満願の日に地蔵菩薩を感得しました。

そこで、金輪山上に一宇を建立し、感得した地蔵菩薩の姿を刻んで本尊としたのが泰山寺の起こりと伝えられます。

寺号は『延命地蔵菩薩経』にある十大願の第一「女人泰産(安産)」に因むとされますが、金輪山を中国の泰山(道教の五岳の一つで、死者が赴くとされる)に擬え、亡者救済の意味があるともいわれます。

淳和天皇の勅願所となり、七堂伽藍と塔頭10坊を誇りましたが、度重なる兵火により衰退し、山麓の現在地に移転したと伝えられています。

現在の本堂は太郎助の参拝から29年後、安政元年(1854)の再建とのことです。

泰山寺の納経

四国56番泰山寺の納経

『順拝帳』を見ると、墨書部分は版木押しで、右から順に

「奉納」
「本尊地蔵大士」
「伊よ今治金輪山」
「泰山寺」

中央に宝印はありません。右上の印は「五十六番」、左下は「金輪」。

仏像彫刻 地蔵菩薩を彫る仏像彫刻 地蔵菩薩を彫る

泰山寺の概要

金輪山 勅王院 泰山寺(たいさんじ)
現名称:金輪山 勅王院 泰山寺
御本尊:地蔵菩薩
創建年代:弘仁6年(815)
開山:弘法大師
所在地:伊豫国越智郡小泉村(愛媛県今治市小泉)
宗派等:真言宗醍醐派

文政8年『神社仏閣順拝帳』
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