四国45番 岩屋寺〈文政8年〉

文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国45番 海岸山 岩屋寺
伊豫国浮穴郡七鳥村(愛媛県上浮穴郡久万高原町七鳥)

四国45番岩屋寺の納経

太郎助の『神社仏閣順拝帳』は2分冊になっており、岩屋寺の納経は1冊目の裏表紙になります。そのため紙面が汚れ、判読しづらくなっています。

45番岩屋寺は、往古は菅生の岩屋と呼ばれ、44番大寶寺の奥の院だったようです。その名の通り険しい岩壁がそびえ、奇岩が林立する霊場で、寺域は国の名勝に指定されています。

山号の海岸山は、弘法大師が詠んだと伝えられる「山高き谷の朝霧海に似て松吹く風を波にたとえむ」という歌に因みます。

寺伝によれば、その昔、この地には土佐出身の法華仙人という女性行者が修行しており、法華三昧を成就して自由に空中を飛行する神通力を得ていました。

弘仁6年(815)弘法大師が当地を巡錫した折、法華仙人は大師に帰依して一山を献上しました。そこで大師は石と木で不動明王像を1体ずつ作り、木の像は一堂を建立して安置し、石の像は奥の院の岩窟に祀って山全体を本尊としました。

鎌倉時代には一遍上人が参籠し、逼割禅定と呼ばれる白山行場(岩屋寺の奥之院とされる)で修業されました。岩峰天を突く奇観は『一遍聖絵』に極めて写実的に描かれています。

明治31年(1898)火災で仁王門と虚空蔵堂以外を焼失し、現在の諸堂はその後の再建になります。

岩屋寺の納経

四国45番岩屋寺の納経

『順拝帳』を見ると、墨書部分は版木押しで、右から順に

「奉納経」
「不動殿」
「海岸山岩屋寺」

2行目は判読しづらいのですが、同時期の納経帳から「不動殿」だろうと判断しました。

中央の朱印は大寶寺と同じ五七の桐と十六菊の御紋。右上は「第四拾五番」。左下は「海岸山」だと思われます。

第四十五番 岩屋寺第四十五番 岩屋寺

岩屋寺の概要

海岸山 岩屋寺(いわやじ)
現名称:海岸山 岩屋寺
御本尊:不動明王
創建年代:弘仁6年(815)
開山:弘法大師
所在地:伊豫国浮穴郡七鳥村(愛媛県上浮穴郡久万高原町七鳥)
宗派等:真言宗豊山派

文政8年『神社仏閣順拝帳』
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