文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国84番 南面山 千光院 屋島寺
讃岐国山田郡屋島村(香川県高松市屋島東町)
善通寺を出て2日目、3月11日の行程は屋島寺までになります。屋島寺は瀬戸内の景勝地、源平合戦の古戦場として名高い屋島にあります。
屋島は、江戸時代の初めまで四国本土から離れた島でしたが、寛永14年(1637)高松藩主・生駒高俊によって堤防が築かれ、陸続きとなりました。その後、高松藩主となった松平頼重が旧跡を惜しみ、正保4年(1647)本土との間に水路(相引川)が復元されました。
寺伝によれば、天平勝宝6年(754)、唐より来朝して難波に向かう途中の鑑真和上が、屋島の北嶺が霊地であることを感得し、堂宇を建立したことにはじまるといいます。その弟子で東大寺戒壇院第5代長老の恵雲律師が伽藍を整備し、初代住職になったそうです。さらに弘仁年間(810~24)弘法大師が留錫し、南嶺に伽藍を建立して真言宗に改めたことから、大師を中興開山とします。
境内にある蓑山大明神は、日本三大名狸に数えられる太三郎狸を祀っています。屋島の禿狸の通称で知られ、弘法大師が屋島寺を再興した際、蓑笠をつけた老人の姿で現れて大師を案内したといいます。また、変化の妙術に優れ、住職代替わりのときは、眷属とともに書院の裏庭で一夜にわたって源平合戦を演じたと伝えられます。
屋島寺の納経
『順拝帳』を見ると、墨書部分は版木押しで、右から順に
「奉納経」
「本尊千手観世音」
「東讃 南面山」「屋嶋寺」
「酉 三月十一日」
朱印は右上が白抜きで「八十四番」、左下は「當都率天 内院管門」と思われます。中央の朱印はありません。
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屋島寺の概要
南面山 千光院 屋島寺(やしまじ)
現名称:南面山 千光院 屋島寺
御本尊:十一面千手観世音菩薩
創建年代:天平勝宝6年(754)
開山:鑑真和上
所在地:讃岐国山田郡屋島村(香川県高松市屋島東町)
宗派等:真言宗御室派(準大本山)
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