四国61番 香園寺〈文政8年〉

文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国61番 栴檀山 教王院 香園寺
伊豫国周敷郡南川村(愛媛県西条市小松町南川甲)

四国61番香園寺の納経

四国61番香園寺は安産・子育ての霊験で信仰を集め、地元では「子安大師」の通称で知られています。

寺伝によれば、聖徳太子が用明天皇の病気平癒を祈願して建立したとされます。

聖徳太子が霊地を求めて当地を訪れたとき、金衣白髪の老人が霊鳥に乗って飛来し、この地が仏法有縁の地であることを告げました。そこで太子が伽藍を建立したところ、再び老人が飛来して一七日の間参籠し、本尊を安置したといいます。

天平年間(729~49)には行基菩薩が滞在したと伝えられます。

大同年間(806~10)弘法大師が当地を巡錫したとき、一人の女性が難産で苦しんでいました。そこで栴檀を焚いて護摩を修したところ、無事に玉のような男の子を出産しました。これに因んで栴檀山香園寺と称するようになりました。

かつては七堂伽藍と6坊を誇りましたが天正年間(1573~92)の兵火で焼失。以来、寺運は衰退しました。

明治36年(1903)住職となった山岡瑞園和尚は子安大師の信仰を鼓吹して日本全国から海外まで行脚、子安講を組織し、昭和23年(1948)に遷化するまでには20万人の信者を擁するほどになりました。

昭和51年(1976)には本堂と大師堂を兼ねた大聖堂を建立。太郎助が参拝した頃とはまったく異なる景観となり、四国霊場の札所の中で異彩を放っています。

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香園寺の納経

四国61番香園寺の納経

『順拝帳』を見ると、墨書部分は版木押しで、

「四国第六十一霊刹」
「本尊大日如来」
「伊豫栴檀山香園寺」
「酉四月五日」

中央に宝印はありません。左下の印は「香園寺印」です。

四国遍路 - 八八ヶ所巡礼の歴史と文化 (中公新書)四国遍路 – 八八ヶ所巡礼の歴史と文化 (中公新書)

香園寺の概要

栴檀山 教王院 香園寺(こうおんじ)
現名称:栴檀山 教王院 香園寺
御本尊:大日如来
創建年代:用明天皇の御代(585~87)
開基:聖徳太子
所在地:伊豫国周敷郡南川村(愛媛県西条市小松町南川甲)
宗派等:真言宗御室派
http://www.koyasudaishi.or.jp/

文政8年『神社仏閣順拝帳』
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