お蔭様で当ブログも開設1周年を迎えました。1年間を目標に続けていた隔日更新も無事に達成することができました。これも皆さまと太郎助さんのお蔭です(記事のうち、約半分が太郎助さんの順拝帳ですが、これがなければ隔日更新は不可能でした)。ありがとうございます。
実は当初の意気込みほどの内容までは到達せず、日蓮宗の御首題についてなど、取り上げたいと思いながら実現していない話題もあるのですが、それでも従来の御朱印関係のサイトやブログでは取り上げられてこなかった内容についても結構提示できたと自負しています。
特に浄土真宗と御朱印については、「浄土真宗は御朱印をしない」などというのが戦後の話で、戦前はもちろん、江戸時代の他宗と変わらない時代から御朱印をしていたことを証明しましたが、毎日コンスタントに閲覧がありますので、しだいに正しい情報が浸透していくのではないかと期待しています。資料としても、江戸時代の真宗の御判はもちろん、戦前の海外の御朱印など、非常に珍しいものをご紹介できたと思います。
因みに閲覧数が一番多かった記事はダントツで「御朱印帳は神社とお寺で分けるべきか」。
毎日一定数の閲覧がありますので、需要が多いのだろうと思います。他サイトやブログでもよく取り上げられている内容ですが、証拠となる江戸時代や戦前の資料を提示しているのは当ブログだけではなかろうかと思います。
次が「信州善光寺の御朱印」。これは御開帳効果で、3月頃から急増し、4月5月はかなりのアクセス数がありましたが、6月中旬以降は落ち着きました。6年後まではほどほどの閲覧数だろうと思いますので、いずれ他の記事に追い越されるかもしれません。
3番目は「福徳神社(日本橋)」。神社の新築遷座、御朱印授与の開始からそれほど時間が経ってなかったことによるものと思います。
また、1年の間には副産物もありまして、今年8月にJTBパブリッシングから出版された『御朱印案内 (諸ガイド)』 で、当ブログで提示した御朱印=六十六部の納経請取状起源説が取り上げられました(参考HPの筆頭に名前を挙げていただいています)。
編集をされたライターさんとお話しするまで私も認識していなかったのですが、御朱印と六十六部の関係について、当ブログ以外で取り上げているサイトやブログはないとのこと(当時)。某匿名巨大掲示板などでは六十六部起源を前提とした書き込みなども見かけますので、他にもご存知の方は少なからずいらっしゃると思うのですが、確かにサイトやブログという形で見ることはなかったかもしれません。
私などからすれば「説」というよりは「事実」なのですが(御朱印関係の方面ではともかく、巡礼に関する研究では定説以前の常識だろうと思います)、これまで御朱印と六十六部の関係をきちんと提示した例はないようです。何冊かの御朱印本の監修をされている佛教大学の八木透教授は牛王宝印との関連をほのめかしていますが(見た感じが現代の御朱印と似ている例があることによるのでしょう。たぶん、江戸時代の納経帳、特に古いものについてはほとんどご存じないのではないでしょうか)、六十六部との関係については触れていません。
ともかく、『御朱印案内』によって、御朱印の起源が六十六部の納経請取状という説が初めて活字になったわけですが、当ブログがきっかけとなったということで、正しい知識が一般に普及される一助になったのではないかと思います。
現代の御朱印に関しては、ゼロさんの「東国墨朱漫遊」やsoragotoさんの「御朱印マニア」をはじめ錚々たるサイトやブログが多数あり、新しい勢いのあるブログも次々登場していますので、こちらは今後も独自路線で頑張っていこうかと思っています。
なお、諸事情で隔日更新が難しくなったため、次回から5回隔日更新で御朱印の歴史について考察した後、12月9日(水)から当分の間は週2回定期更新(水曜日・現代の御朱印拝受、日曜日・昔の納経帳)+α(御朱印考察等を不定期で)という形にします。
それでは今後ともよろしくお願いいたします。
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コメント
はじめまして。私はマイナーな派の浄土真宗のボーズです。もちろんメジャーな二派ではありませんので、自坊にて御門徒さんがたから御朱印を頼まれれは参拝記念として普通に書いております。
わたくしも前々浄土真宗の御朱印があることはしっていましたが、上手にまとめていただいてとても参考になりました。
つきまして、私の知人で資料に強い人間がおりまして、彼がもうしますことには京都の東本願寺の御朱印は昭和62年までのものは確認しているそうです。
私も実際に確認はしていないのですが、これが事実であれば、東本願寺においては昭和の終わりまでは御朱印をしていたようです。
また、blog一周年おめでとうございます。これからも、興味深い論考楽しみにしています。
合掌 南無阿弥陀仏
baka-hage様
コメントありがとうございます。
東本願寺が御朱印をしなくなった時期について、お東騒動の結果、宗本一体で
東本願寺の正式名称が真宗本廟に改められた昭和62年の前後ではないかと
考えていましたが、資料で確認していないため、ブログでは触れませんでした。
昭和62年まで御朱印があったというのは、その推測を裏付ける貴重な情報です。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。