四国36番 青龍寺〈文政8年〉

四国36番青龍寺の納経

文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国36番 独鈷山 伊舎那院 青龍寺
土佐国高岡郡竜村(高知県土佐市宇佐町竜)

四国36番青龍寺の納経

四国14日目は36番青龍寺まで。本尊の波切不動は弘法大師が唐への航海中に現れ、暴風雨を鎮めたと伝えられます。

横浪半島の先端にある青龍寺へは、今は宇佐大橋を渡って行くことができますが、かつては浦ノ内湾入り口の竜の渡し(宇佐の渡し)を船で渡っていました。弘法大師がこの地を巡錫した際、大師を案内した8人の先導の子孫がその権利を守ってきたといいます。

寺伝によれば、弘法大師が唐より帰国する際、真言密教の秘法を授けられた恵果阿闍梨の師恩に報いるための寺院の建立を発願し、有縁の霊地を求めて独鈷を投じました。

帰国後、当地を巡錫していた弘法大師は、松の木に掛かっている独鈷を見つけ、このことを嵯峨天皇に奏上しました。そして弘仁6年(815)石造の不動明王を本尊として一寺を建立し、山号と独鈷山、寺号を青龍寺としました。青龍寺の名は恵果阿闍梨から密教の秘法を受け継いだ長安の青龍寺に因みます。

江戸時代には土佐藩により伽藍の再建や寺領の寄進が行われ、土佐七大寺に数えられたといいます。現存の本堂・大師堂・仁王門などは明治以降の再建ということで、太郎助が参拝した時の建物は残っていないようです。

目次

青龍寺の納経

四国36番青龍寺の納経

『順拝帳』を見ると、墨書部分は右から順に

「奉納」
「本尊不動明王」
「土州」「青龍寺」
「酉三月廿三日」

中央の朱印は火炎宝珠に不動明王の種字「カーン」。右上は「三十六番」、左下は「独鈷山印」

不動明王: 智慧と力のほとけのすべて不動明王: 智慧と力のほとけのすべて

青龍寺の概要

独鈷山 伊舎那院 青龍寺(しょうりゅうじ)
現名称:独鈷山 伊舎那院 青龍寺
御本尊:波切不動明王
創建年代:弘仁6年(815)
開山:弘法大師
所在地:土佐国高岡郡竜村(高知県土佐市宇佐町竜)
宗派等:真言宗豊山派

文政8年『神社仏閣順拝帳』
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