文政8年『神社仏閣順拝帳』
西国25番 御嶽山 清水寺
播磨国加東郡平木村(兵庫県加東市平木)
西国25番札所は御嶽山清水寺。16番札所の洛東音羽山清水寺と区別するため、播州清水寺とも呼ばれます。
御本尊は根本中堂に祀られた十一面観世音菩薩と大講堂に祀られた千手観世音菩薩で、大講堂の千手観音が西国三十三所の札所本尊になります。
開山は26番法華山一乗寺と同じ法道仙人と伝えられます。
寺伝によれば、法道仙人は景行天皇の御代に天竺から渡来しました。推古天皇35年(627)天皇の勅願によって根本中堂を建立し、自ら一刀三礼して刻んだ十一面観音と脇侍の毘沙門天・吉祥天を奉安しました。
当地は水の乏しい土地でしたが、仙人が水神に祈願すると霊泉が湧き出したため、これに因んで清水寺と号しました。
また一説には、当初は近くの古清水山にあり、清応寺と称したともいわれます。
神亀2年(725)聖武天皇の勅願により行基菩薩が大講堂を建立、丈六の千手観音を安置したと伝えられます。
建武2年(1335)、永享10年(1438)などに火災で堂舎を焼失していますが、そのたびに再建されてきました。大正2年(1913)にも火災で全山焼失しており、現在の建物はそれ以後に再建されたものです。
播州清水寺の納経
順拝帳を見ると、墨書部分は右から順に
「奉納経」
「清水寺大講堂」
「酉五月三日」「行者丈」
中央に宝印はなく、右上に「弐十五番霊場」、左下に「御嶽山」。
播州清水寺の概要
御嶽山 清水寺(きよみずでら)
現名称:御嶽山 清水寺
御本尊:十一面観世音菩薩(根本中堂)、千手観世音菩薩(大講堂、札所本尊)
創建年代:推古天皇35年(627)
開基:法道仙人
所在地:播磨国加東郡平木村(兵庫県加東市平木)
宗派等:天台宗
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