文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国22番 白水山 医王院 平等寺
阿波国那賀郡北荒田野村(徳島県阿南市新野町)
四国8日目は22番平等寺まで。平等寺は21番太龍寺と23番薬王寺の中間となるため、かつてはここで宿泊する遍路が多く、門前は遍路宿でにぎわっていたといいます。ただし、太郎助が平等寺の門前で一泊したのか、さらに進んで宿をとったのかはわかりません。
寺伝によれば、弘仁5年(814)弘法大師が当地で修業していると、空に五色の瑞雲がたなびき、黄金の大日如来の種字が現れ、それが薬師如来の姿に変わりました。それを見た大師が供養のための加持水を得ようと錫杖で地面を掘ったところ、乳白色の水が湧き出しました。
大師はその水で斎戒沐浴して100日間の修法を行った後、薬師如来の像を刻み、一宇を建立して本尊としました。山号は乳白色の霊泉に因んで白水山、寺号は一切衆生を平等に救済するという誓願から平等寺と名付けられました。
往古は七堂伽藍に12の支院を擁していたといいますが、天正年間(1573~92)に長曽我部の兵火で焼失、その後再建されました。
弘法大師の掘った霊泉は「白水の井戸」「開運鏡の井戸」と呼ばれ、今も万病に効く霊水として信仰を集めています。
平等寺の納経
『順拝帳』を見ると、右から順に
「奉納」
「本尊薬師如来」
「阿州白水山」「平等寺」
「三月十七日」
中央に朱印はありません。右上の印は「四国第廿二番」、左下は「覚」のようにも見えますが、よくわかりません。
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平等寺の概要
白水山 医王院 平等寺(びょうどうじ)
現名称:白水山 医王院 平等寺
御本尊:薬師如来
創建年代:弘仁5年(814)
開山:弘法大師
所在地:阿波国那賀郡北荒田野村(徳島県阿南市新野町)
宗派等:高野山真言宗(準別格本山)
http://www.byodoji.jp/
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