文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国78番 仏光山 道場寺(どうじょうじ)
四国78番郷照寺、当時は道場寺と呼ばれていました。四国霊場で唯一の時宗寺院です。77番道隆寺からは約7km、善通寺から数えてこの日4ヶ所目の札所です。
寺伝によれば神亀2年(725)、行基菩薩によって開創され、仏光山道場寺と名付けられました。弘仁6年(815)弘法大師が留錫して自らの尊を刻み、厄除けの誓願をされたといいます。さらに正応元年(1288)時宗の開祖・一遍上人が滞在して教えを広めました。
その後、元亀・天正の兵火で伽藍を焼失しましたが、寛文4年(1664)高松藩主・松平頼重によって再興されました。この時、宗旨を時宗に改めるとともに、寺号も郷照寺に改称されたといいます。
ただし、江戸時代の納経帳を見ると、寺号はいずれも「道場寺」であり、「郷照寺」になるのは明治以降です。正式名称は郷照寺でも一般には道場寺の名称を使っていたのか、事実上の改称が明治になってからのことなのかはよくわかりません。
道場寺の納経
『順拝帳』を見ると、墨書部分は印版で、
「奉納経」
「本尊阿弥陀如来」
「讃州仏光山」「道場寺」
「酉ノ三月十日」「行者丈」
中央の朱印は判読が困難ですが「南無阿弥陀仏」のようです。右上の印が「第七十八番」、左下が「道場寺」。
「奉納経」の「経」(正字は「經」)、「仏光山」の「仏」(正字は「佛」)など、印版であっても略字を使っています。
道場寺の概要
現名称:郷照寺
御本尊:阿弥陀如来
創建年代:神亀2年(725)
所在地:讃岐国鵜足郡宇多津村(香川県綾歌郡宇多津町)
宗派等:時宗
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