古今御朱印覚え書

御朱印に関する考察、寺社参拝、拝受した御朱印、昔の御朱印・納経帳などについてのメモ

萬福寺〈文政8年〉

      2016/11/09

文政8年『神社仏閣順拝帳』
黄檗山 萬福寺
山城国宇治郡大和田村(京都府宇治市五ヶ庄三番割)

萬福寺の納経

三室戸寺を参拝した太郎助は、次に萬福寺で納経しています。三室戸寺から萬福寺までは直線距離で約2km、それほど時間を掛けずに到着したことでしょう。

黄檗山萬福寺は黄檗宗の大本山で、寛文元年(1661)隠元隆琦禅師を開山として開創されました。

隠元禅師は万暦20年(文禄元年・1592)中国の福建省福州に誕生しました。29歳の時に福州の古刹・黄檗山萬福寺で得度。35歳で大悟し、崇禎10年(寛永14年・1637)萬福寺の住持となりました。

承応3年(1654)逸然性融の招請を受け来日、長崎の唐人寺・興福寺に入りました。興福寺にはその徳を慕って僧俗数千といわれる人々が集まったといいます。翌明暦元年(1655)には妙心寺の元住持・龍渓性潜の懇請により摂津国嶋上の普門寺に入りました。

万治元年(1658)江戸に下って4代将軍・徳川家綱に拝謁、その帰依を受けました。そして同3年(1660)山城国宇治に土地を賜って新寺を建立することとなり、翌寛文元年(1661)開創、伽藍の造営が始まりました。山号寺号ともに福州の黄檗山萬福寺に因んでいます。

萬福寺の造営に当たっては将軍や諸大名、豪商が金子や用材を寄進。伽藍は中国の明代末期の様式で建てられており、建築用材も西域木(チーク材)が用いられています。

寺で使われる言葉や儀式の作法、精進料理(普茶料理)などすべてにおいて中国式で、江戸時代の俳人・田上菊舎尼が「山門を 出れば日本ぞ 茶摘みうた」と詠んだように、当時の人々にとって異国を感じさせる空間だったようです。

太郎助にとっても物珍しい経験だったに違いありません。

萬福寺の納経

順拝帳を見ると、揮毫は右から順に
「奉納経」「黄檗山 萬福寺」
「本尊釈迦如来」
「役寮」

中央の宝印は白抜きで「仏法僧宝」の三宝印。右上の印は判読できません。左下は「黄檗常住」だろうと思います。

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萬福寺の概要

黄檗山 萬福寺(まんぷくじ)
現名称:黄檗山 萬福寺
御本尊:釈迦如来
創建年代:寛文元年(1661)
開基:隠元隆琦(大光普照国師)
山城国宇治郡大和田村(京都府宇治市五ヶ庄三番割)
宗派等:黄檗宗大本山
http://www.obakusan.or.jp/

文政8年『神社仏閣順拝帳』
三室戸寺 → 萬福寺 → 上醍醐寺
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