文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国82番 青峰山 根香寺(ねごろじ)
青峰山根香寺は五色台の青峰の山腹にあります。現在は単立寺院ですが、文政8年当時は修験道本山派の本寺・聖護院門跡の末寺でした。
伝承によれば、五色台の五つの峰は弘仁年間(810~24)弘法大師が五智如来を感得し、それぞれの青峰・赤峰・黄峰・黒峰・白峰と名付けたとされます。この時、青峰に花蔵院を開き、五大明王を祀ったと伝えられます。
天長9年(832)智証大師円珍が市之瀬明神の託宣により、霊木で千手観音の像を刻み、千手院を建立して本尊としました。この千手院と花蔵院を合わせて根香寺と称するようになったといいます。
後白河法皇の勅願所となって寺運は興隆しますが、戦国時代の兵火で焼失。その後、領主となった生駒氏や松平氏によって再興されました。寛文4年(1664)松平頼重が真言宗から天台宗に改め、聖護院の末寺としています。
根香寺の納経
『巡拝帳』を見ると、墨書部分は版木押しで、右から
「酉三月十一日」
「奉納第八十二霊刹」
「本尊千手観世音」
「讃岐国 根香寺」
朱印は中央上に十六八重菊の御紋があり、勅願所であることを示すと思われます。左下には「青峰山 千手院 根香寺」。
根香寺の概要
現名称:根香寺
御本尊:千手観世音菩薩
創建年代:弘仁年間(810~24)
所在地:讃岐国香川郡笠居村(香川県高松市中山町)
宗派等:天台系単立(当時は聖護院末)
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