四国9番 法輪寺〈文政8年〉

四国9番法輪寺の納経

文政8年『神社仏閣順拝帳』
四国9番 正覚山 菩提院 法輪寺
阿波国阿波郡土成村(徳島県阿波市土成町土成)

四国9番法輪寺の納経

9番法輪寺は山の麓にある8番熊谷寺から南へ約2km、平地の田んぼの中の小さな寺です。しかし、元は現在地より4kmほど北、山間の法地ヶ渓にあり、大伽藍を誇っていたと言います。御本尊は四国霊場で唯一の涅槃釈迦如来。

寺伝によれば、弘法大師がこの地を巡錫されている折、白蛇を見つけました。大師はこの白蛇が仏法守護の善神であることを知り、一寺を創建して白蛇山法林寺と名付けました。これが法輪寺の始まりとされます。

天正10年(1582)長宗我部の兵火で旧地にあった伽藍を焼失、正保年間(1644~48)現在地に再興され、正覚山法輪寺と改められました。因みに『四国徧礼霊場記』には「白虵山法輪寺」とあります。

太郎助の参拝から30年ほど後の安政6年(1859)に火災で鐘楼以外を全焼しており、現在見られる堂舎は明治以降の再建です。

目次

法輪寺の納経

四国9番法輪寺の納経

『順拝帳』を見ると、墨書部分は版木押しで、右から順に

「奉納経」
「本尊涅槃之釈迦」
「阿州正覚山」「法輪寺」
「酉三月十四日」

中央に朱印はありません。朱印のように見えるのは向かいのページの切幡寺のもので、宝珠の中の梵字「キリーク」が左右反転しています。右下と左上に見えるのも同じ。

右上の印は「四国第九番」、左下は「法輪精舎」。左下の印は天保11年の納経帳にあるものと文言は同じですが、書体が違うようです。

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法輪寺の概要

正覚山 菩提院 法輪寺(ほうりんじ)
現名称:正覚山 菩提院 法輪寺
御本尊:涅槃釈迦如来
創建年代:弘仁6年(815)
開山:弘法大師
所在地:阿波国阿波郡土成村(徳島県阿波市土成町土成)
宗派等:高野山真言宗

文政8年『神社仏閣順拝帳』
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