大依羅神社

大阪市住吉区庭井2-19-16(Mapiongooglemap

大依羅神社拝殿

大依羅(おおよさみ)神社は大阪市と堺市の境を流れる大和川のほとりに鎮座します。府立阪南高校の敷地と駐車場に囲まれて少々窮屈な感じですが、緑が多く、落ち着いた印象の境内です。

依羅(よさみ)は依網とも書き、現在の大阪市住吉区から松原市北西部にかけての広い地域を指していたと考えられているようです。推古天皇の御代に広大な依網池が造営され、その周囲に依網屯倉(よさみのみやけ)が設けられました。

大依羅神社はその守護神として依羅吾孫(よさみのあびこ)氏によって奉仕され、摂津国では住吉大社に次ぐ格式であったといいます。

もともと南側が正面で、大和側に面する南参道を北に進むと南向きの社殿が建っていましたが、昭和46年(1971)の再建の際に社殿は東向きとされ、北側の参道が正面とされたそうです。

大依羅神社北参道の鳥居と神門

北参道の鳥居と神門。

大依羅神社北参道の注連柱

注連柱。

大依羅神社末社・神功皇后社

神功皇后社。御祭神は息長帯姫命(神功皇后)。『日本書紀』の神功皇后摂政前紀に、筑紫に出征した神功皇后が、依網吾彦男垂見(よさみのあびこ おたるみ)に神々を祀らせたという記事があります。

大依羅神社末社・道祖神社

道祖神社。御祭神は八衢比古大神、八衢比売大神、久那斗大神。

大依羅神社末社・龍神社

龍神社。御祭神は龍大神。背後は阪南高校のグラウンド。

大依羅神社南参道の神門

南参道の神門。

大依羅神社本殿

本殿。

大依羅神社・庭井の跡の碑

庭井の跡の碑。依羅の井戸、庭井の清水ともいい、大依羅神社の鎮座地である住吉郡庭井村(現・住吉区庭井など)の名の由来とされます。

大依羅神社・依網池の址の碑

依網池址の碑。『日本書紀』の崇神天皇62年(B.C.36)と推古天皇15年(607)に造営の記録があり、日本最古級の人工池です。往古は約10万坪の面積を誇ったといいますが、江戸時代に大和川の付け替えで3分の1になり、さらに第二次大戦後の市街化などでほぼその姿を消しました。

大依羅神社の御朱印

御朱印は社務所にていただきました。

大依羅神社の御朱印

大依羅神社の御朱印。朱印は「式内大依羅神社之印」。

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大依羅神社の概要

大依羅神社(おおよさみ じんじゃ)
御祭神:建豊波豆羅別王、底筒之男命、中筒之男命、上筒之男命 /合祀:草津大歳神、奴能太比売大神、大山咋大神、建速須佐男大神、奇稲田姫大神、八柱御子大神、素盞嗚命二座
創建年代:不詳
鎮座地:大阪市住吉区庭井2-19-16
社格等:式内社(名神大・月次・相嘗・新嘗)、旧府社
公式サイト:https://yosami-jinja.com/

【由緒】
御祭神の建豊波豆羅別王(たけとよはずらわけのきみ)は、開化天皇の皇子で当地の豪族である依網我孫(よさみのあびこ)氏らの祖とされます(依羅が氏、吾孫が姓、依網は依羅、吾孫は吾毘古とも)。『日本書紀』の神功皇后摂政前紀に、筑紫に出征した神功皇后が、依網吾彦男垂見(よさみのあびこ おたるみ)に住吉三神を祭らせたという記事があります。依羅氏は依網屯倉の管理に当たり、大依羅神社の祭祀を司っていたと考えられています。

創建年代は不詳ですが、古くから朝廷の崇敬を受けていました。承和14年(847)社殿を修造、官社とされました。貞観元年(859)には従四位下を奉授され、風雨祈願のための奉幣を受けています。元慶元年(877)には石清水八幡や上賀茂・下鴨などとともに甘雨の祈祷のための奉幣があり、同3年(879)6月には大和の広瀬大社・龍田大社、摂津の住吉大社と当社の4社に神財を奉るための使いが遣わされています。

延喜式には大依羅神社四座として名神大社に列し、月次・相嘗・新嘗の奉幣にあずかりました。また八十島祭に際しては、住吉大社などとともに奉仕料を受けていました。

しかし、南北朝時代に依羅氏が衰亡すると当社の社運も衰え、住吉大社の境外摂社とされます。社務は別当の大聖観音寺(あびこ観音)が司るようになったようです。

明治5年(1872)生根神社・山阪神社・若松神社などとともに住吉大社から独立、同9年(1876)郷社に列します。同40年(1907)式内社の草津大歳神社・奴能太比売神社などを合祀しました。昭和6年(1931)府社に昇格。

旧社殿は万治2年(1659)の建造でしたが昭和44年(1969)の火災で焼失、現在の社殿は同46年(1971)に再建されたものです。このとき、社殿は南向きから東向きとなり、参道も大和川に面した南参道から住宅街から入る北参道が正面に改められました。

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