日本橋三越本店のイベントにぶつかった日本橋七福神の巡拝。
大勢のイベント参加者に仕事始めのビジネスマンが追い打ちをかけ、参拝の行列が長くなります。事前の情報収集は大切です。
各神社の概要と御朱印(水天宮~小網神社)
弁財天:水天宮(すいてんぐう)
正式名称:水天宮
御祭神:天御中主大神、安徳天皇、建礼門院、二位ノ尼
創建年代:文政元年(1818)
鎮座地:東京都中央区日本橋蠣殻町二丁目4-1
仮宮所在地:東京都中央区日本橋浜町二丁目30-3
社格等:旧無格社
社殿の改築のため、平成25年より日本橋浜町の仮宮に遷座しています。新社殿への還座は今年4月の予定です。
七福神の宝生弁財天は品川の久留米藩下屋敷に祀られていたもので、水天宮を江戸に勧請した有馬頼徳が、能楽のライバルである加賀の前田公と芸を競ったとき、この弁財天に願をかけて稽古に励み、見事勝利したといいます。以前は「中央弁財天」と称していました。
中央の朱印は弁財天の像で、揮毫はありません。
大国神:松島神社(まつしまじんじゃ)
正式名称:松島神社
御祭神:稲荷大神他14柱
創建年代:元亨年間(1321)以前
鎮座地:東京都中央区日本橋人形町二丁目15-2
社格等:旧村社
各地から移り住んだ人がそれぞれの故郷の神を合祀したことから、元からの御祭神である稲荷大神をはじめ14柱の御祭神を祀っています。七福神の大国主命もその一柱。
朱印は上に大国主神、下に「松島神社」。「松」は異体字で、上に「公」、下に「木」という珍しいものです。逆の「枩」はたまに見かけることがあるのですが。
布袋尊:茶ノ木神社(ちゃのきじんじゃ)
正式名称:茶ノ木神社
御祭神:倉稲魂大神
創建年代:不詳
鎮座地:東京都中央区日本橋人形町一丁目12-10
社格等:-
元は佐倉藩主堀田家の邸内社で、周囲に茶の木を植え込んでいたことから「お茶の木様」と称されたそうです。宗教法人にはなっておらず、町会の人たちによって護持されています。戦前も公認された神社ではなかったようで、社格はありませんでした。
朱印は布袋尊の像で、墨書部分はスタンプです。
福禄寿:小網神社(こあみじんじゃ)
正式名称:小網神社
御祭神:倉稲魂神、市杵島比賣大神(弁財天)
創建年代:文正元年(1466)
鎮座地:東京都中央区日本橋小網町16-23
社格等:旧村社
福禄寿と弁財天(万福舟乗弁財天)を祀り、両方の御朱印がありますが、日本橋七福神としては福禄寿になります。
上の朱印は福禄寿、下は白抜きで「小網神社」「KOAMI」。
日本橋七福神の参拝記(後)
本来なら笠間稲荷神社の次は松島神社へ向かうべきところですが、今は水天宮が社殿の新築工事中で、日本橋浜町の仮社殿に遷座しているため、浜町公園方面へと進みます。
5.水天宮/弁財天
水天宮は安産・子育ての信仰で普段から参拝者が多く、一番の混雑が予想されました。ただ、日本橋七福神で唯一、七福神の弁財天が境内社に祀られているため、一般の参拝客と一緒に並ばずにすむのですが。
到着したのは午後1時少し前。思っていたほど人が多くなく、ちょっと拍子抜けしました。一般の参拝者が多いところなので、ほかよりお昼という時間帯が影響していたのか、七福神めぐりの人たちが遅めの昼食をとっていたのか。
水天宮の仮社殿。参拝者の列の後ろから手を合わせるだけで許してもらうことにしました。
宝生弁財天の仮社殿は境内の片隅にありました。一応、少し行列はできていましたが、それほど待つこともなく参拝を終えました。
御朱印は待合室に設けられた臨時の朱印所で。外に出ると、弁財天の参拝者の列が長くなっていました。タイミングがよかったのでしょう。
次の松島神社へは老舗や名店が並び、下町の風情を漂わせる甘酒横丁を進んでいきます。
6.松島神社
松島神社の境内はビルになっており、社殿はビルの中にあります。前の歩道に行列はできていましたが、ここもさほど待たずに参拝することができました。
七福神の期間、御朱印は墨書部分がスタンプでの対応で、直筆が欲しい場合は書置きのみ。10年前は書置きのみの対応でした。
御朱印をいただいて、茶の木神社へ。水天宮前の交差点を通りかかると、完成間近の水天宮の新社殿が、その威容を現していました。新社殿への遷座は4月とのこと。
7.茶ノ木神社/布袋尊
茶ノ木神社は高層マンションの敷地の一角にあります。10年前の参拝時はマンションの工事中で、工事現場に隣接する旧社殿もしくは仮殿でした。三越の七福神めぐりの人たちもひと段落したのか、社殿の前には行列もありませんでした。
10年前は七福神の御朱印のみで、神社の御朱印は授与していなかったのですが、平成24年の正月、新しくなった社殿で再度御朱印をいただこうと思って参拝した際、神社の御朱印も対応しているのに気付き、授与していただきました。その時は朱印が神璽だったのですが、今回、見本を見ると社号印が新調されていたので、改めて神社の御朱印もいただきました。
8.小網神社
水天宮、松島神社はさほど待つことはなく、茶ノ木神社では行列もなかったため、あとは楽勝だと気を抜いて向かった最後の小網神社。笠間稲荷での教訓は生かされていませんでした。
神社の前にはずらっと行列が。
表通りにまで続いていました。
待つこと20分近く。最後の最後にやられました。
小網神社はオフィス街のビルに囲まれた小さな神社ですが、貴重な戦前の木造社殿・神楽殿が残っており、また最近は強運厄除の龍や銭洗い弁財天でパワースポットとしても人気を集めているようです。御朱印についても、印を新しくしたり、弁財天の御朱印を授与するようになったり、オリジナルの御朱印帳を作成したりと、都内でも積極的な神社の一つです。
小網神社の新旧の御朱印はこちらを参照。
昨年末、新しいオリジナルの御朱印帳をいただくために参拝したのですが、その時も御朱印拝受の方やお守りを求めている方が結構いらっしゃっていました。
行列に並んでいたのは七福神めぐりの方だけではなく、小網神社の御朱印目的の方もいたのではないでしょうか。また、仕事始めのビジネスマンも多かったようで、そういう複合的な要因によって行列が長くなったのだろうと思います。
さて、元旦と4日という違いはあれ、前回の参拝とは比較にならないほど大勢の方が巡拝していました。ほぼ同じ時間帯となった笠間稲荷神社の様子を比較すれば一目瞭然です。
平成18年1月1日。穏やかな正月の風景です。
平成28年1月4日。ずらっと行列ができています。巡拝にかかった時間は前回の約2倍というところでしょうか。
とはいえ、人数については日本橋三越本店の七福神めぐりに重なったという要因があるため、単純な比較はできません。ただ、谷中七福神と同じく、明らかに違っているのは御朱印帳を持って回っている人の割合が増えているということです。三が日が過ぎているということもあってか、私の見た範囲ではほとんどが御朱印帳で、色紙の方は数人しかいませんでした。
自分以外に御朱印帳の人を見かけなかった10年前の参拝とは様変わりです。
いずれ御朱印が注目されるようになるだろうとは思っていましたが、10年でここまで変わるとは思っていませんでした。
日本橋七福神(前)
日本橋七福神(後)
谷中七福神(前)
谷中七福神(後)
深川七福神
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