北海道室蘭市海岸町2-9-3(Mapion/googlemap)
室蘭八幡宮(むろらん はちまんぐう)
正式名称:室蘭八幡宮
旧称:崎守神社、八幡神社
御祭神:誉田別尊、保食神、琴平神
創建年代:明治元年(1868)
鎮座地:北海道室蘭市海岸町2-9-3
社格等:旧県社(国幣小社昇格内定)
【御由緒】
明治元年(1868)室蘭郡の総鎮守として室蘭村の高台(旧室蘭、現在の室蘭市崎守町)に函館八幡宮の御分霊を奉斎したことを創祀とします。当時は八幡大神あるいは崎守神社と呼ばれました。
同6年(1873)札幌本道が開通、旧室蘭の住民らが道路沿いに移住して新室蘭の市街地が形成されると、氏神建立を願う声が高まりました。そこで同8年(1875)開拓使の認可を得て崎守神社を幕西台の現社地に遷座、八幡神社として郷社に列格しました。同時にヘケレウタ(現・室蘭市陣屋町)の金刀比羅宮、トキカラモイ(現・室蘭市緑町・海岸通3丁目あたり)の保食神を合祀しています。
遷座に当たり、内浦湾の寄り鯨を捕獲して開拓使に買い上げてもらい、造営・遷座の費用に充てたことから「鯨八幡」と称されるようになりました。
大正13年(1924)県社に昇格。昭和6年(1931)火災により社殿が焼失、同13年(1938)現在の社殿が再建されました。
北海道庁では道内の神社のうち、小樽の住吉神社、旭川の上川神社と当社を国幣社とする方針を立て、このうち当社が昭和20年(1945)9月15日付で国幣小社に昇格することが内定していましたが、終戦のため実現しませんでした。
昭和27年(1952)室蘭八幡宮と改称しました。
室蘭八幡宮の御朱印
御朱印は社務所にていただきました。
室蘭八幡宮の御朱印。上の印は「室蘭八幡宮御璽」、下は中央に「室蘭八幡宮」、周囲に「参拝記念」「北海道室蘭市」。右に「鯨八幡」の文字が入ります。
室蘭八幡宮の参拝記
室蘭の港と市街地を見下ろす高台に鎮座する室蘭八幡宮は、現社地へ遷座する際、寄り鯨を売却した費用を遷座の資金に充てたことから「鯨八幡」の通称があります。
北海道の旧官国幣社といえば官幣大社の札幌神社(現・北海道神宮)と国幣中社の函館八幡宮ですが、室蘭八幡宮は国幣小社への昇格が内定していながら、その1ヶ月前に終戦となったために実現しなかった「幻の国幣社」です。
参拝は平成21年6月。帯広への出張中、仕事の合間を利用して日帰りで胆振地区の神社を参拝したのですが、室蘭まで行くと結構な強行軍になりました。
室蘭中央通り沿いの大鳥居。北側の参道の入り口になります。駅から歩く場合はこちらではなく、南側の参道を使ったほうが便利でしょう。
室蘭招魂社。
手前が大正天皇お手植えの松、奥が昭和天皇お手植えの水松(イチイ)。
神楽殿。
室蘭三吉神社。
室蘭岩木山神社。
拝殿。内地の古社にも劣らぬ風格のある社殿です。昭和13年(1938)東京の社寺工務所が設計・施工したもので、総工費は25万円だったとか。大卒の初任給が90円だった時代です。
神明造の多い北海道では珍しい流造の本殿。
なお、残念ながら昼間の短時間の滞在だったため、室蘭やきとりを食べることはできませんでした。無念。
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