滋賀県大津市園城寺町251(Mapion/googlemap)
三尾神社(みお じんじゃ)
正式名称:三尾神社
御祭神:伊弉諾尊
創建年代:不詳
例祭:5月2日
社格等:旧県社
【御由緒】
古くは三尾明神と称し、園城寺(三井寺)の地主神で、園城寺の上ノ三尾(琴緒谷)に祀られていました。『今昔物語』巻十一「智証大師初門徒立三井寺語」にも園城寺の鎮守として三尾明神が登場します。
伝承によれば、その昔、伊弉諾尊が降臨して長等山の地主神となったのが起源であるとされます。この神は常に赤・白・黒の腰帯をつけており、その姿が三つの尾を曳いているように見えたことから三尾明神と呼ばれるようになりました。
三つの腰帯は赤尾神、白尾神、黒尾神となりました。最初に現れたのは本神とされた赤尾神で、太古、卯の年、卯の月、卯の日、卯の刻、卯の方角から三井寺山中の琴緒谷に出現しました。これに因んで兎を神使とし、神紋を「真向きの兎」とします。
その後、白尾神が大宝年間(701~04)現社地に、黒尾神が神護景雲3年(769)3月14日(二の卯の日)に鹿関の地に現れたと伝えられます。
貞観元年(859)、園城寺を再興した智証大師円珍は三尾明神の社殿を琴緒谷に復興、北院の鎮守社である新羅善神堂に対して南院の鎮守社とされました。
応永33年(1426)足利将軍によって現在の社殿が再建され、慶長年間(1596~1615)豊臣秀吉により修復されています。
明治の神仏分離により園城寺から独立、明治9年(1876)現社地に遷座しました。これに伴って本殿も移築されています。同14年(1881)郷社、同43年(1910)県社に昇格。
平成26年(2014)本殿が国の重要文化財に指定されました。
三尾神社の御朱印
卯年のうちに兎の印の御朱印をいただくというのが、この日の参拝の目的でした。
三尾神社の御朱印。上の印は神紋の「真向きの兎」、下は「三尾神社」。
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三尾神社の参拝記
滋賀県大津市の三尾神社。御祭神は卯の年、卯の月、卯の日、卯の刻に卯の方から出現したと伝えられることから兎を神使とし、神紋も「真向(まむ)きの兎」という、卯年生まれの守り神です。
参拝は平成23年(卯年)の12月。
兎を神使にする神社といえば、住吉大社を筆頭に京都府の岡崎神社、宇治神社、愛知県の菟足神社、埼玉県の調神社などが思い浮かびます。
鳥居と参道。三尾神社は三井寺の総門脇に鎮座しています。元は三井寺南院の鎮守で、三井寺境内に鎮座していました。現社地に遷座したのは明治9年(1876、明治10年とする資料もあり)のことだそうです。
舞殿。
手水舎の兎。狛犬ならぬ「狛兎」という言い方に倣えば、吐水龍ならぬ「吐水兎」とでもいうのでしょうか。青銅製の見事な波兎です。
神門(唐門)。
境内社。手前から白山神社・愛宕神社、天満宮、白髭神社・蛭子神社。他に日御前神社、稲荷神社がありました。
瓦や幕をはじめ境内の随所に兎。
拝殿。幕には神紋の「真向きの兎」。
本殿。参拝当時は滋賀県指定有形文化財、平成26年に国の重要文化財に指定。
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