比叡山延暦寺 東塔の諸堂

滋賀県大津市坂本本町4220(Mapion/googlemap

東塔と阿弥陀堂

比叡山 延暦寺(えんりゃくじ)
正式名称:比叡山 延暦寺
御本尊:薬師如来(根本中堂)
創建年代:延暦7年(788)
開山:伝教大師最澄
宗派等:天台宗総本山

比叡山延暦寺は東塔・西塔・横川の三つの地域からなります。東塔は総本堂である根本中堂を中心とする地域で、延暦寺発祥の地です。

今回の比叡山参拝は、冬期で坂本ケーブル以外の交通機関が休業中のため、東塔のみの参拝ということに。根本中堂での参拝・御朱印拝受を終えると、文殊楼へ向かいました。

文殊楼

文殊楼

根本中堂前の石段を登ったところにあります。延暦寺の山門で、坂本から本坂を上ってくるとこの前に着き、この門をくぐって根本中堂に参拝するというのが本来です(つまり根本中堂から石段を登ったところに文殊楼があるのではなく、文殊楼から石段を下ったところに根本中堂がある)。

慈覚大師円仁が文殊菩薩の霊場・中国五台山の文殊菩薩道に倣って創建しました。寛文8年(1668)の火災後に再建されたものです。

御本尊の文殊菩薩は階上に祀られています。上ることができますが、撮影は禁止。

文殊堂の御朱印

文殊楼の御朱印。揮毫は「文殊菩薩」。中央の宝印は印影が薄くてわかりづらいのですが、火炎宝珠に文殊菩薩の種字「マン」で間違いないでしょう。右上は「比叡山」、左下は「比叡山 文殊楼」。

大黒堂

大黒堂

御本尊は三面大黒天。三面六臂(顔が三つで手が六本)の姿をしています。正面が大黒天(食生活を守る)、右側が毘沙門天、左側が弁財天、六つの手には如意宝珠(願いを叶える)、智慧の利剣(煩悩を断ち切る)、鎌(福を集める)、宝鍵(世福を収納し、願いに応じて福を与える)、如意棒(七財を自在に施す)、槍(魔を降す)を持つという、御利益の塊のような尊格です。

伝教大師が比叡山開創の折に感見し、守護神としました。豊臣秀吉が出世を祈願して守り本尊とし、天下人にまで上り詰めたことから三面出世大黒天と呼ばれるそうです。

大黒堂の御朱印

大黒堂の御朱印。揮毫は「大黒天」。中央の宝印は火炎宝珠に大黒天の種字「マ」、毘沙門天の種字「ベイ」、弁財天の種字「ソ」。右上は「比叡山」、左下は「比叡山大黒堂」。

萬拝堂

萬拝堂

平成になって建てられたお堂で、日本全国の神社仏閣の諸仏諸菩薩諸天善神を勧請し、合わせて世界に遍満する神々をもともに奉安して、平和と人類の平安を祈願しているそうです。

萬拝堂内部

中央に御本尊の千手観音と天台大師、伝教大師の像、周囲に三十番神の画像が祀られています。

萬拝堂の御朱印

萬拝堂の御朱印。揮毫は「大悲殿」。中央の宝印は千手観世音菩薩の種字「キリーク」。右上は「比叡山」、左下は「萬拝堂印」。

大講堂

大講堂

講堂とは僧侶たちの学問研鑽の場であり、横川の四季講堂などと区別するために大講堂と呼ばれます。天台座主第一世の義真和尚によって建立されました。現在でも天台宗随一の論議法要である「法華大会広学竪義」などが行われます。

重要文化財だった旧大講堂は昭和31年(1956)火災で焼失。現在の建物は山麓坂本にあった讃仏堂を移築したものだそうです。

中に入って参拝できますが、撮影は禁止。御朱印も中でいただきました。御本尊は大日如来で、外陣には天台大師や伝教大師、桓武天皇、聖徳太子、さらに比叡山で修学した各宗派の祖師の像が祀られています。

大講堂の御朱印

大講堂の御朱印。揮毫は「大日如来」。中央の宝印は火炎宝珠に胎蔵界大日如来の種字「ア」。右上は「比叡山」。左下は「大講堂」ですが、「堂」が「口(上)+土(下)」ではなく「口(左)+土(右)」の異体字になっています。

鐘楼

大講堂脇には鐘楼があります。旧鐘楼も重要文化財でしたが、昭和31年の火災で類焼し、現在の建物はその後の再建だそうです。撞いていいということでしたので、一打させていただきました。

戒壇院

戒壇院

大講堂からさらに進むと戒壇院があります。僧侶になるための戒律(大乗戒)を授かるためのお堂で、御本尊は釈迦如来。大乗戒壇の設立は伝教大師の生涯をかけた念願でした。弘仁13年(822)伝教大師が入寂して7日後に戒壇設立が許可され、天長5年(828)疑心和尚によって創建されました。現在の建物は延宝6年(1678)の再建と伝えられます。

比叡山でも特に重要なお堂ですが、御朱印はないようです。

阿弥陀堂

阿弥陀堂

東塔でもっとも標高が高い位置にある檀信徒の先祖回向の道場です。延暦寺開創1500年を記念して、昭和12年(1937)に建立されました。御本尊は丈六の阿弥陀如来です。

中に入って参拝できますが、ちょうど法要中だったため、後ろで小声で読経し、早々に退出しました。御朱印は手前の授与所にて。

阿弥陀堂の御朱印

阿弥陀堂の御朱印。揮毫は「寂光殿」。中央の宝印は蓮台上の円に阿弥陀如来の種字「キリーク」。右上は「比叡山」、左下は「阿弥陀堂」。

法華総持院東塔

法華総持院東塔

阿弥陀堂の隣に建つ壮大な木造の重層多宝塔です。

伝教大師は国土と国民を守護するため、日本全国6ヶ所に宝塔を建立し、各塔に法華経千部八千巻を安置することを発願しました。すなわち安東・上野宝塔院(上野国緑野郡)、安南・豊前宝塔院(豊前国宇佐郡)、安西・筑前宝塔院(筑前国)、安北・下野宝塔院(下野国都賀郡)、安中・山城宝塔院(比叡山西塔)、そして全体を総括する安総(安国)・近江宝塔院(比叡山東塔)です。

因みに比叡山の東塔・西塔という名称は山城・近江の宝塔院に因みます。

近江宝塔院は、伝教大師の在世中には塔の心柱が立てられただけでした。貞観4年(862)これを法華総持院として完成させたのが慈覚大師円仁です。

その後、焼失と再建を繰り返しますが、元亀2年(1571)織田信長の比叡山焼き討ちで焼失した後、長く再建されませんでした。現在の塔は昭和55年(1980)伝教大師の出家得度千二百年を記念し、法華総持院東塔として再建されたものです。

塔の上層には仏舎利と法華経一千部を奉安。下層の須弥壇には大日如来を中心とする胎蔵界の五仏を安置し、正面の四本の柱には弥勒・観世音・文殊・普賢の四菩薩、裏面の壁画には金剛界の五仏を描いているそうです。

内部に入ることはできず、外からの参拝になります。御朱印は阿弥陀堂前の授与所にて。

法華総持院東塔の御朱印

法華総持院東塔の御朱印。揮毫は「五智如来」。中央の宝印は、中心に胎蔵界大日如来の種字「アーンク」、周囲は上から時計回りに宝幢如来の種字「ア」、普賢菩薩の種字「アン」、開敷花王如来の種字「アー」、次は文殊菩薩の「マン」が来るべきところだと思うのですが、なぜか「ア」、無量寿如来の種字「アン」、観世音菩薩の種字「サ」、天鼓雷音如来の種字「アク」、弥勒菩薩の種字「ユ」。右上の印は「比叡山」、左下は「東塔之印」。

以上が東塔の諸堂の御朱印ということになりますが、引き続き無動寺谷の明王堂と弁天堂に参拝、御朱印をいただくことにしました。

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