波自加彌神社 はじかみ大祭準備風景

石川県金沢市花園八幡町ハ165(Mapiongooglemap

波自加彌神社境内

金沢市花園八幡町に鎮座する波自加彌(はじかみ)神社は日本で唯一、香辛料の神様を祭る珍しい神社です。6月15日に行われる「はじかみ大祭(しょうが祭り)」には生姜や山椒、茗荷、山葵などの香辛料が神饌として供えられ、全国各地の農家や食品メーカー、卸・小売業者から生姜や更新スパイス、関連商品が奉納されます。

参拝は平成25年の6月13日。「はじかみ大祭」を控え、宮司さんは準備の真っ最中でした。

波自加彌神社の存在を知ったのは、「街オタク」を自認する金沢市出身の友人から「生姜の神様を祀る神社があるらしいんですが、知っていますか?」という一言がきっかけでした。

「生姜の神様を祀る神社」を知らなかった私は、さっそくネットで検索して波自加彌神社を見つけ、次に会ったときに「金沢市の波自加彌神社らしい」と伝えました。「へー、金沢ですか。どういう字を書くんですか」というので、スマホの画面を見せたところ、「あれっ」とフリーズ。「この字、見たことがある」と言いました。

実は彼の実家は波自加彌神社の近くにあり、小学校・中学校と波自加彌神社の前を通って通学していたのだそうです。しかし、漢字の読み方はわからなかったし、さして関心もないので、まさかそこが「生姜の神様を祀る神社」とはまったく思っていなかったとのこと。「案内しますから、ぜひ一緒に行きましょう」と強く誘ってくれるものですから、金沢へ足を運ぶことにしました。

波自加彌神社は小高い丘の上にあるのですが、北陸本線をはさんだ二日市町の集落の中に遥拝殿があり、宮司さんのお宅もそちらのほうにあるようです。

波自加彌神社参道入口

麓に鳥居と社号標があります。手前の橋は「瑞狐橋」、下を流れるのは貞享3年(1686)に完成した河原市用水。この用水を建設した中橋久左衛門が水路の線引きに悩んで波自加彌神社に祈願したところ、ある雪の朝に白狐の足跡が神社から山麓を迂回して隣村へと続いていました。これをお告げと受け止め、その足跡に従って水路を掘ったと伝えられています。

波自加彌神社石段

鳥居からは石段が続いているのですが、山麓に駐車する場所がないため、車道で神社境内まで登りました。

波自加彌神社摂社・諶屏堂

摂社・諶屏堂(じんべいどう)。武内宿祢と大山咋神を祀ります。武内宿祢は三韓征伐の際、医薬としての生姜を我が国に初めて伝えたとされているそうです。

波自加彌神社・正一位八幡山稲荷

正一位八幡山稲荷社。

波自加彌神社拝殿

拝殿。

波自加彌神社拝殿内部

拝殿内部。祭典の準備をしている宮司さんに声をかけると、拝殿に招き入れてくれました。気さくな宮司さんで、お忙しいところを神社の由緒やはじかみ大祭に御供えを奉納される業者さんなどについていろいろお話してくださいました。拝殿内には立派な大生姜をはじめ、生姜や生姜湯、その他関連商品がたくさん並んでいましたが、当日までにはさらに多くの御供えがとどくとのことでした。

波自加彌神社本殿

本殿。

波自加彌神社遥拝殿

こちらは二日市の集落にある遥拝殿。平成14年に一千三百年祭記念事業として130年ぶりに再建されたそうです。

撤下神饌(生姜湯)までいただいて、恐縮しきり。お忙しいところを、大変お世話になりました。

波自加彌神社の御朱印

波自加彌神社の御朱印

波自加彌神社の御朱印。墨書は「生姜神社」「波自加彌神社」。朱印は「延喜式内波自加彌神社」。

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波自加彌神社(波自加弥神社)の概要

波自加彌神社(はじかみじんじゃ)
正式名称:波自加彌神社 /旧称:八幡宮
御祭神:波自加彌神・一国一社護国正八幡大神/配祀:天照大神・春日大神・諏訪大神・少名彦神・白山比咩大神・稲荷大神・大国主神・菅原神
創建年代:養老2年(718)
鎮座地:石川県金沢市花園八幡町ハ165
社格等:式内社、旧郷社
http://ameblo.jp/hajikamijinja/

【由緒】
養老2年(718)の開創で、往古は四坊高坂の黄金清水(こがねしょうず)に鎮座していたと伝えられます。「はじかみ」とは「歯で噛んで辛いもの」をさし、生姜や山椒、山葵などの祖神であるといいます。延喜の制では小社に列しました。

寿永2年(1183)源平の合戦により社殿を焼失、現社地にあった田鹿(たじか)八幡宮に遷座、合祀されました。以来、「波自加彌神社・正八幡宮」あるいは「八幡宮」と称し、田近郷18ヶ村の鎮守として崇敬されました。波自加彌神社の社号を用いるようになった時期は不詳のようですが、元禄7年(1694)の『神社略縁起』には波自加彌神社とあるようです。

6月15日に行われる「はじかみ大祭」は、生姜などの香辛料を神饌として供えることで知られます。
社伝によれば、奈良時代、加賀国を大干ばつが襲い、多くの人が犠牲になりました。そこで国造が波自加彌神社に籠り、三七日の祈願を行ったところ、霊水(黄金清水)が湧き出して人々が救われました。これを祝って祭典をおこなおうとしたところ、干ばつのために神饌として供えられる作物が「はじかみ(生姜)」しか残っていませんでした。そこで生姜を備えて祭礼を行ったのが「はじかみ大祭」の始まりだと伝えられています。

現在では、生姜の研究や商品開発に力を入れている永谷園が音頭を取り、「はじかみ大祭」に因んで6月15日が「生姜の日」として日本記念日協会に登録・制定され、全国の農家や食品関連業者の崇敬を受けています。

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